こんにちは、TAZNです。
昨日より二十四節気は「大寒」に入りました。
大寒は、西洋占星術では水瓶座前半にあたる時期です。
タロットで水瓶座のカードは星。
二十四節気「大寒」は「星」のカードに対応する、と言えます。
今日は、大寒と星の関係を考えてみたいと思います。
大寒
2024年は1/20〜2/3が大寒の時期です。「大きな寒さ」と書く通り、一年で一番寒さが厳しくなる頃。各地で最低気温が記録されますが、自然界は少しずつ春に向けて動き始めます。
大寒は一つ前の節気「小寒」と合わせ、「寒の内」と呼ばれます。
この期間の風習に、武道や芸事、宗教の修練を行う「寒稽古(かんげいこ)」や「寒修行(かんしゅぎょう)」、滝に打たれたり水をかぶることで穢れを落とす「寒垢離(かんごり)」などがあります。寒さから逃避せず、戦うことで精神の鍛錬をするのが目的です。そこから「寒の内に始めた習い事は上達する」という考え方も生まれました。
大寒と星
星のカードには「浄化」という意味もあります。ここでは水をかぶって穢れを落とす寒稽古の人物を描いてみました。寒さから逃げず、立ち向かうことで自らの心身を浄化しています。
また、空気が凍りつくような寒い夜の星は「凍星(いてぼし)」と呼ばれます。寒さのため空気は澄み、星もいつも以上に輝いて見える。そんな凍星の下で身を清めることは、天の意志や力とのつながりを強めてくれるのかもしれません。
温かい屋内で暖を取り、ぬくぬく過ごすことでは見えない理念を見出そうとする。そんな水瓶座-星のカードです。
大寒の七十二候
七十二候は1年を72の季節に分けたもの。一つの節気には3つの候が含まれます。候にも対応するタロットがあります。
大寒の3つの候と、対応するカードを見ていきましょう。
欵冬華──ふきのはなさく
1/20〜24は大寒の初候、「欵冬華(ふきのはなさく)」。
「欵冬」とは蕗(ふき)のこと。雪解けを待たずにふきのとうが黄色い蕾を出す頃。春一番に最も早く食べることのできる山菜です。独特の香りと苦味で、冬の間におとろえた体を目覚めさせ、生命力を体に取り込みます。冬ごもりから出てきた熊がはじめて口にするのもふきのとうなのだとか。
この候に対応するのはソードの5です。
ウェイト=スミス版では敗北して立ち去る人物たちと、3本の剣を抱え勝ち誇る人物が描かれています。雪を割るように出てくるふきのとうは、雪との戦いに自分の存在を主張し、勝利するのかもしれません。ふきのとうの苦味も、この絵のビターな雰囲気と共鳴するようです。
水沢腹堅──さわみずこおりつめる
1/25〜29は大寒の次候、「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」。
あまりの寒さに沢の水も凍りつき、厚い氷が張っている頃。最低気温の記録が聞かれるのも多い時期。とはいえ日照時間は少しずつ長くなっていきます。池や沼の氷は、溶けたり凍ったりを繰り返しながら厚みを増していくのです。
この候も、先程の「欵冬華」と同じくソードの5に対応します。
日照時間の増加と気温低下がせめぎ合い、沢の氷を溶かしたり凍らせたりしつつも、まだまだ寒さが勝って氷が厚くなる。そのせめぎ合いがソードの5の戦いとつながるよう。背景の水は厚い氷、遠くの白い山は雪山なのかもしれません。
雞始乳──にわとりはじめてとやにつく
1/30〜2/3は大寒の末候、「雞始乳(にわとりはじめてとやにつく)」。
「乳す」は、鳥が卵を産むという意味。春の気配を感じた鶏が卵を産み始める頃。今でこそ一年中手に入る卵ですが、自然な状態なら冬の鶏はほとんど卵を産みません。寒に生まれた卵は時間をかけた分、特に滋養豊かなものと考えられ、縁起のよい「寒卵」として珍重されたのです。
この候に対応するのはソードの6です。
母子と思われる二人を乗せ、船頭が舟を漕いでいます。この母子に、鶏と卵という母子を象徴させてもいいかもしれません。鶏と貴重な寒卵は大事に運ばれているのです。
またこの候の最終日は、立春の前日である「節分」です。「鬼は外、福は内」と声をかけ、邪気を払い幸福を呼び込むため豆をまく。外と内との行き来が行われ、鬼と福のバランスが整えられるのも、6という数字の調和に通じます。
念のため
改めて言うまでもないと思うのですが、一応誤解のないよう注意書きです。これは「タロットは日本の暦を元に作られていた!」みたいなトンデモ起源説の話をしたいのではありません。
この日本の暦とタロットを関連付ける作業は、「こじつけ」でもいいから日本の四季とカードを結びつけ、それによってカード解釈を季節感という観点から見直していけないか、また逆に季節感をカードの観点から見直せないか、という試みです。それによってカードや季節に対する感受性が豊かになり、カードのリーディングにおいても、季節を感じ取る日常生活においても、この感受性が活用できるようになるからです。
(ちなみにタロットの歴史上で何度も行われてきた、タロットと特定の文化を結びつける数々の起源説も、歴史的真実かどうかはさて置き、こうした感受性の強化によってタロットをより活用しよう、という試みであったのだと思います)
この対応については「タロット暦」として、こちらの記事でも解説しました。
前回の「小寒-悪魔」を結びつける作業はこちらです。
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