こんにちは、TAZNです。
今回は、みなさんからお寄せいただいた問題について、タロットでどう解決していけるか考え、そのためのワークを提案します。
「タロットを引くのが怖い」問題
寄せられた問題はこちらです。
ある日、習慣のタロットを引き、ペンタ9逆、カップA逆、塔と出ました。
いつもはtwitterに結果を載せるのですが、結果が重すぎて様子見をしました。
その日の夕方、自分にも無関係ではない方が命を落とされたニュースがあり……。それからタロットを引くのが少し怖いです(タイツタロットはなんとか引けます)。
思考のトレーニングにと始めたタロットですが、こんなにはっきりと出るは思わず……。
重すぎる結果が出た時、どう向き合い、克服すればいいのでしょうか?
人が亡くなったニュースとカードが結びつき、タロットを引くのが怖くなってしまった。
この問題をタロットサークルのメンバーと話し合いました。同様にカードが怖くなる体験をした方もおり、どのように恐怖がなくなっていったのかもお聞きできました。
〈要約〉
・カードと人の死は因果関係にはない。しかし心の中でリンクが起きる
・リンクはリーディングの財産。でも恐怖とのリンクもありうる
・リンクを切り離すのは難しいが、上書きや拡張で恐怖を薄められる
・そのための4つの方法&2つのタロットワーク
因果関係がなくても、カードは現実の事象とリンクする
重いと感じるカードの登場と、人の死が同日に起こる。そこに因果関係はありません。重いカードが出たために人が亡くなったのでも、人が亡くなるからそのカードが出たのでもありません。しかし、心の中で「このカードとこの出来事は関係がある」と感じるのは確かです。
タロットリーディングは、カードとカード以外のものが心の中で結びつくことで成り立っています。あるカードは、現実のこんな事象を示す。ある人物の性格や行動を表す。こういう意味と関連付けられる。そうした結びつきがなければ、現実のものごとを読むためにカードを扱えません。読み手はカードに様々な事象や意味とのリンクを作り、心の中に蓄積し、リーディングで活用します。
ただし大抵の場合、リンクは原因と結果の関係にはありません。心が「関連ありそう」「類似している」と感じただけです。例えばカードに描かれた人物が身近な人に似ていた。カードに与えられた「戦い」という意味が今の私の状況と共通している。こういった類似性が強いとリンクされやすいのです。逆に、共通点や関連を感じなければリンクは生まれにくいでしょう。
意識的にリンクを作る場合もあれば、無意識的に生じるリンクもあります。自分の頭や心を説得しながらの勉強(「このカードはこういう意味と結びつく、なぜなら……」)は、意識的なリンク作りです。反対に、カードの絵を見て感じた気分などは無意識的にリンクされます。「怖い」と感じた絵のカードは恐怖の感情と自動的につながるのです。今回のように、日常体験とカードが勝手に結びつくこともあります。
通常、リンクは読み手の財産です。それが意識的なものだろうと、無意識的だろうと、怖かろうとリーディングの引き出しを増やしてくれるものです。しかしカードを引くのが恐怖と感じるほどのリンクが生まれると、タロットを続けるのが難しくなりますから、対処しなければなりません。
リンクを切り離すのは難しい、でも上書きや拡張はできる
リンクは読み手の感受性の一部です。このリンクはなかったことに……とはなかなかできないものです。人の死という重大な出来事とのリンクは記憶から消えにくいでしょう。しかし、リンクを上書きしたり、増やしたりして、怖ろしい体験以外の選択肢を拡げることである程度は対処できます。また、不用意なリンクが増えないよう事前に注意できる手段もあります。
ここでは4つの方法をあげてみます。
①デッキを変える
使用デッキを変えるとリンクはある程度リセットされます。カードの絵が変わるため、特に絵を見て感じた気分との無意識的リンクが薄まります。この方はすでに試されているようですが、これは最も手っ取り早い方法です。
話し合いの参加者でも、怖ろしい絵のカードが出てショックを受け、デッキを変えてタロットを続けた、という方がいらっしゃいました。
TAZN自身は怖くてカードが引けない体験はないのですが、それはゾンビタロットというユーモアのあるデッキを使っていたからかもしれません。
②意味の幅を拡げる
そのカードの意味をより広く学び、考察し、そのカードが「怖いだけではない」と理解できれば恐怖に対処できます。特にタロットの使い始めは「絵が怖いカード=悪いカード」と捉えがちですが、「怖くない意味もある」と理解するうちに、カードのポジティブな側面も見えてきます。
いろんな人の読み方を調べたり、教えてもらうことも役立ちます。また、「どのカードにも(そしてどの逆位置のカードにも)ポジティブな面とネガティブな面がある」と、その両面を考えるのもオススメです。
話し合いでも、「意味の幅を拡げると怖くなくなった」という意見がたくさんありました。
③怖いカードを外す
「見て嫌だと思うカード」はデッキから外してしまう方法です。イレギュラーのように感じますが、「トラウマのトリガーになるカードはデッキから取り除いて使ってもいい」という本もあります(Beth Maiden "All of Our Stories")。多少カードが欠けていても、タロットは言い回しを変えてメッセージを伝えてくれます。
④質問をはっきり。「降りかかる出来事」ではなく「行動指針」として
ただ漠然と「今日のカードは?」と引くことはやめます。漠然と引くカードは「降り掛かってくる出来事」として受け取りがちになるものです。すでに恐怖とリンクしたカードが出たとき、「今日は恐ろしい出来事が起こる」と読んでしまいます。また、出来事との無意識的なリンクも生じやすい。「降り掛かってくる出来事」ではなく、「今日一日の行動指針は?」や「自分のできることは?」など、自分の主体的な行動にまつわる質問にしましょう。その質問を貫いてカードを読めば、「このカードを引いたから怖ろしいことが起こるのでは」という恐怖を避けられます。
恐怖を避けるためのタロットワーク
タロットでこの問題に取り組むためのワークを二つ提案します。
①「怖くなくなるためにはどうすればいいか?」とタロットに聞く
タロットそのものに「タロットを引くのが怖くなくなるためにはどうすればいいか?」と聞くこともできます。ここでも、「私に起こること」ではなく「私がやること」、自分の行動として質問するのが大事です。
今回の話し合いに参加してくれたみなさんに、自分事としてカードをリーディングしてもらいました。その結果の一部を紹介します。
塔:
・怖いカードはショック療法に。
・そのデッキ燃やしちゃえ!
ペンタクル2:
・二面性を見る。カードの裏テーマを見る。悪いことだけ目を向けない、一つの面だけ見ないようにする。
ワンド7:
・カードではなく、自分が指揮を取る。
愚者:
・怖い体験もタロットジャーニーの一環だと思う。続けられるといいな。
節制:
・水を落ち着いて見つめる。カードが出たことと、怖いという心の動きを冷静に見る。怖さをどう止めるのか?をタロットが広げてくれる。
タロットと一緒に、自分の心の動きを深く見つめることもできます。
そのために有用なワークをもう一つ。
②カードを並び替える、入れ替える
カードを引いて読んだあと、カードを並び替え、入れ替える方法。しっくり来るカード並びを探しながら、恐怖心やその理由、助けとなるものを見つけます。
例えば逆位置のために恐怖や困難を感じるなら、カードの上下をひっくり返してみます。
この方が引いたカードを見てみましょう。
ペンタ9逆、カップA逆、塔
逆位置のカードが多いですね。結果が重い、と感じたのは「塔」のせいでもあるでしょうが、「逆位置が多かったから」もありそうです。
すべてのカードの上下をひっくり返してみましょう。
ペンタ9正位置、カップA正位置、塔逆
印象はどう変わるでしょうか。少し、気楽なものになったのではないでしょうか。これを「困難を乗り越えたとき得られるもの」と考えてみるのはどうでしょう。
すべてのカードではなく、必要と感じる一部だけでも構いません。
また、正/逆だけでなく、カードをあれこれ入れ替えてもいいのです。
・カードの並び順を変える。上下左右、入れ替える
・いなくなってほしいカードを取り除く
・登場してほしいカードを自分で選んで追加する
こうした作業で安心できる図を作っていくと、自分の恐怖や希望と向き合え、そう感じる理由や助けとなるものを探すことができます。
無理にやらなくていい
いろいろヒントを考えてきました。しかし、恐怖を感じながら無理にタロットを引く必要はありません。しばらくお休みしたり、安全とわかっていることだけをやったりしながら、ゆったりとタロットに向き合ってくださいね! この経験もあなたの糧になってくれるはずです。
あなたが解決したい問題を教えてください
引き続き「問題」をタロットで解決する方法について考えていきたいと思っています。みなさんの抱える問題を以下のアンケートフォームからお送りください。人生に関する問題でも、タロットについての問題でも構いません。
問題ではない、単なる質問は取り上げにくいです。例えば「恋人になる人はどんな人?」や「私の金運」、あるいは「これからの人生はどうなる?」だけだと、問題ではなく質問なので難しいです。その質問の前に、どんな問題があって困っているのか記してくださると取り上げやすくなります。
問題の解決方法はTAZNのタロットサークル内で話し合い、サークルメンバーさんのご意見・アイデアもうかがっていこうと思っています。
すべての問題は取り上げられませんし、また回答まで時間もかかりそうですが、どうぞご投稿お待ちしております。
最近の活動
3/2(土)ルディア「占星術のマンダラ」読書会
サビアンシンボルの原典の一冊、ディーン・ルディア「An Astrological Mandala」を日本語訳で読みます。本を持っている必要はありません。
毎月第1土曜・第2水曜zoom開催。
・3/2(土)19:30- 牡牛座13〜15度
・3/13(水)19:30- 牡牛座16〜18度
「私に関係ある度数だけ参加したい!」という方のための単発ゲスト参加と、継続的なメンバー参加があります。メンバー参加は専用discordでの交流や、過去回のアーカイブの試聴が可能です。
3月中旬、タロットサークル春分のゲートが開きます
TAZNのタロットサークル、新規加入ゲートが開きます。今回は3月中旬〜3/20春分の日まで、一週間ほどの予定です。
タロットサークルはdiscordやzoomで活動しています。
今回も「タロットサークル手帳」4〜6月分を鋭意制作中です。タロットリーディングの記録、タロットワークを多数掲載した手帳です(前回の手帳の紹介はこちら)。
タロットサークルのゲートは1年に4回、二至二分にだけ開きます。気になっている方はぜひご参加をお待ちしております。また近くなったら詳細お知らせします。
3/20(水)メアリー・K・グリーア「タロットワークブック」読書会
グリーアの名著「タロットワークブック」のzoom読書会、掲載されているワークを実際に行いながら読み進めます。
次回は3/20(水)19:30より。タロットサークル内の活動ですが、メンバー外の方で参加希望の方はお問い合わせください。本がない方、英語版しか持っていない方、途中参加の方もどうぞ(このメールへの返信や、サイトのお問い合わせフォームなどからご連絡ください)。
絶版本で希少ですが、良書を誰にでも手の届くようにするためこちらから復刊のリクエストにもご協力ください。
●ご質問、ご感想、ご要望などはこのメールへの返信、サイトのお問い合わせフォームなどでどうぞ。
●TAZNへの占いやリーディングサポートのご依頼はこちらより。