タロットに数秘術を活かす7つの原則
noteの「数秘術についての簡単なまとめ」に最近ご感想を頂き、「そういえば続きを書くつもりだったのにそのままだった!」と思い出したので、数秘術についての続きです。
今回は、タロットに数秘術を活かすための7つの原則を紹介します。具体的なリーディング方法はまだ触れていませんが、これらの原則がわかっているとリーディングにも応用が効きます。
1.それぞれの数字はテーマを持つ
数秘術において、数は分量や個数を測るものではなく、質を示すものです。各数字はそれぞれ特有のテーマを持っています。それぞれの数により、エネルギーを働かせる方法が違うのです。
各数字のテーマを簡単におさらいしておきます(詳しくはnoteの記事の方で)。
1 はじまりの力
2 受け止める力
3 発展させる力
4 安定させる力
5 衝撃を与える力
6 調和させる力
7 突進する力
8 圧縮する力
9 問いかける力
10 まとめる力
タロットリーディングでは、カードの数字をこうした「質」「テーマ」として捉えます(「分量」「個数」として読むこともできますが、今回は省略)。
2.数字は前進的である
数字は順番に前進します。1の次は2、2の次は3と、数が一つずつ増えれば私たちは「前進している」と感じます。逆に、一つずつ減ると「後退している」と感じます。
これは当たり前に聞こえると思いますが、タロットリーディングの中で数字を考える際に大事なことです。例えばスプレッドの中で連続する数字が出てきた場合、前進しているのか、後退しているのかに着目することができます。
3.ある数字は、一つ前の数字を否定する
数字が一つ前進するとき、前の数字のテーマはもう終わっています。例えば4という数は、3のテーマを「もう終わったこと」として扱います。「3のテーマなんてもう古いよね、今は4のテーマがトレンド!」という感じ。
ただし、4は3のテーマをすでに経験した上で終了した、と考えます。だからやろうと思えば3的なこともできなくはない。でも、もうそれをやることに意味を見いだせない、メインテーマとしては扱えない、ということです。
あるいは、3がやったことを土台にして4が別のことをする、とも言えます。3がなければ4は登場できなかったけれど、3を終わりにしてしまう。
2が1のテーマを終わらせる。3が2のテーマを終わらせる。4が3のテーマを終わらせる・・・と続いていきます。
4.ある数字は、二つ前の数字を助ける
一つ前の数字は否定しましたが、二つ前の数字は助けることができます。例えば、4は2を助けられます。なぜなら、4は「2を否定した3」をさらに否定するので、2を再び肯定している、と考えられるからです。
3は、2の持っていた問題を指摘し、「そんなんじゃダメだ!」と否定して3になりました。2では解決できない問題があったからこそ、2のテーマではなく3のテーマに進むのです。しかし4から見れば、2の持っていた問題は解決が可能です。
3は1を助ける、4は2を助ける、5は3を助ける・・・と続いていきます。
前の原則と合わせると、3とは「2を否定し、1を助ける数字」、さらに「4に否定され、5に助けられる数字」です。
5.奇数は能動的、偶数は受動的
奇数は能動的、外向的なエネルギーの使い方をします。自分から外に向けてエネルギーを発します。1、3、5、7、9が能動的です。
偶数は受動的、内向的なエネルギーの使い方です。外から来るものを自分の中に受け止めます。2、4、6、8、10が受動的です。
前の二つの原則と合わせて考えてみましょう。ある奇数は、一つ前の数(偶数)を否定し、二つ前の数(奇数)を助けます。例えば奇数3は能動的ですが、それは偶数2の受動性に対する反発です(3「2みたいに待ってるだけじゃダメ! 自分から動かないと!」)。逆に、偶数4は受動的で、それは奇数3の能動性へのアンチテーゼです(4「3はもうちょっと落ち着け!」)。
ある数字と次の数字の間には、コントラストがあります。順番に並んだ数字の列は、オセロの駒が「白・黒・白・黒・白・・・」と交互に並んでいるようにイメージすることができます。
6.大きい数字ほど成熟している
数字は、一つ前の数字を経験しつつもそれを終わらせて次のテーマへ進みます。そのため、大きな数字ほどそれまでの数字のテーマをたくさん経験しており、成熟していると考えます。
逆に若い数字ほどまだ経験が少なく、はじまりのパワーの近くにいると考えられます。
7.数列は、最後の数字に向けて終わりを準備する
ある数列の最後の数字には、その数列全体のテーマを「終わらせる・完成させる」役割があります。小アルカナの数列なら10、大アルカナの数列なら21が「終わらせる・完成させる」役割です。そして数列は、最後の数字に向けて終わりを準備しながら進行します。
小アルカナの10と、大アルカナの10は、同じ10のテーマを持っています。しかし所属する数列の長さが違います。小アルカナ10は最後の数字なので、10のテーマに加え「終わらせる・完成させる」役割も持つことになります。
最後の数字の役割とは、「もうこれ以上この先には進めん!」というところまで数列自体のテーマ(つまりスートのテーマ)を突き詰めることです。小アルカナの10は、もう11が来て問題を発見したり、12が来て助けてくれたりすることはありません。それは、10でその数列自体のテーマが絶対化され、否定できない徹底的なところまで来た、答えが出たからです。
最後から一つ前の数字もこの影響を受けます。最後の数字に向けて準備を進めるのです。終わりの絶対化のため、ツメの甘いところや、見逃している可能性の広がりがないか、とことん確かめていくことになります。そのため最後から一つ前の数字は、その数列のテーマを飛び出して外からの目線を持つこともあります。
さらに最後から二つ前、もしかしたら三つ前でも、もう終わりのための準備が始まっているかもしれません。この影響は、最後の数字に近い程大きくなります。しかし、最初の方の数字には大きな影響を与えないでしょう。
大アルカナであれば21世界が「終わらせる・完成させる」数字です。21世界と小アルカナの10は、数字のテーマは違えど、終わりの役割を担っている、という点では共通しています。同様に、20審判と小アルカナの9には終わる直前の準備をしている、という共通点があると言えます。
・・・これら7つの原則は、各カードを理解するガイドラインになりますし、スプレッドの中に登場する数字同士の関係分析にも使えます。この辺はまた機会がありましたら!
10/2追記:この記事の続き
古事記スプレッド〈みそぎ〉
イザナギは「醜い国の穢れを清めよう」とみそぎをします。左目を洗った時に天照大神、右目から月読命、鼻から須佐男命が出現。それぞれ高天原、夜之食国、海原の統治を任されますが、須佐之男は「母上の国に行きたい」と泣いてばかりで災いが起こり、イザナギに追い払われてしまいます。
イザナギ、イザナミによる神生みの最後、いよいよ三貴子が登場しました。
古事記スプレッド〈黄泉の国〉
1.アマテラス:あなたの昼を治める力
2.ツクヨミ:あなたの夜を治める力
3.スサノオ:あなたの暴風の力
twitterハッシュタグ #古事記スプレッド でみなさんのリーディングを投稿していただいています。
今回も、スプレッドにするため神話をかなり省略しています。本当はイザナギのみそぎからはもっとたくさんの神々が生まれています。興味のある方はぜひ古事記そのものをお読みになってください。
参考:
武田祐吉訳注、中村啓信補訂・解説「新訂 古事記」(訓読文、現代語訳両方が入ってわかりやすい)
國學院大學 古事記ビューアー(原文、訓読文、現代語訳、註釈、英語訳が自由に2画面表示でき便利。特に註釈が圧巻!)
最近の活動
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twitterで読者の方がやってみたハッシュタグを作ってくださってます→ #第2の人生への道スプレッド
●7/7木は二十四節気「小暑」です。二十四節気の魔法の水のワークをどうぞ。
●そして七夕でもありますね! せっかくなので、七夕向けのスプレッドも作ってみました。よかったらどうぞ。
●7/6水19:30よりメアリー・K・グリーア「タロットワークブック」zoom読書会です。タロットサークル内の活動ですが、メンバー外の方で参加希望の方はお知らせください。本がない、英語版しか持っていない、途中参加の方もどうぞ。
絶版本ですが、この本の復刊のリクエストはこちらからできます。
●ご質問、ご感想、ご要望などはこのメールへの返信、あるいはtwitterのリプライなどでどうぞ。
今週のゾンビタロットチャレンジ
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今回引いたカードは「ワンドの9」。たくさんのゾンビを突破せよ。キーワードは「モリモリ乗り越える」。
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