こんにちは、TAZNです。
今日はタロットの2枚引きをより深く読むための方法を解説します。1枚のカードに複数の意味を当てはめるのがコツです。
1枚目のカードは「私」であり「私の過去」
最初に、1枚目のカードを引きます。このカードからは2つの意味を読み取ります。
まずこのカードは「私」を示すものとして扱います。このカードからは、あなた自身の特徴やエネルギー、使える能力を読み解きます。
また、このカードは同時に「私の過去」も表します。現在の私に至った経緯や、私が持つ能力の源泉や要因を示しています。
過去のこのような経験があるからこそ、私はこのような力を得た(あるいは失った)のだ、と読みましょう。
コートカードであれば、私が過去に出会った人物であり、その人物からの影響を受けた私の今の姿です。
逆位置の場合はどうなるでしょうか。
「私」の意味として読んだ場合、あなたのエネルギーに何らかの欠如があることを示しています。本来使えるはずのパワーや能力を抑え込んでいる可能性もあります。正位置に戻すために何らかの手立てが必要なのかもしれません。
「私の過去」として読む場合、避けてきた状況や人物を示すかもしれません。本来発揮できるはずのパワーが欠落しているのは、このような過去の体験を避けてきた、あるいは体験できなかったからだ、と読むこともできます。
2枚目のカードは「私が対峙しているもの」であり「私の未来の力」
次に、2枚目のカードを引きます。このカードにも2つの意味を与えます。
まず、このカードは「私が対峙しているもの」を表しています。これはあなたの外側からやってくるものであり、あなたが現在直面している状況や人物、課題や向き合っていることを示しています。
また、このカードは同時に「私の未来の力」を示すものとしても読みます。あなたが現在直面しているものを乗り越えた先に、そのエネルギーや力を手に入れる、と考えましょう。将来、使用可能になるあなたの能力が、前触れとして今のあなたの周りに状況や人物として現れているのです。眼の前にある状況を、あなたは自分の能力として取り込んでいくのです。
コートカードであれば、今の私が向き合っている人物、そして未来の私が取れる姿です。
逆位置のときはどうでしょう。
「私が対峙しているもの」として読めば、私に向き合おうとしないものやそのエネルギーを与えようとしないものを示しています。私の周囲にそのエネルギーが不足している。コートカードなら、そのカードとしての責任を果たしていない人物や、私を無視している人物かもしれません。
「私の未来の力」として読めば、将来手に入れられる可能性はあるが、このままでは手に入らないかもしれない力です。しかし、これはあなたのアクション次第で、正位置になって手に入れられる力です。今目の前にある課題として克服すれば手に入れられるものです。
逆位置の場合、あなたは反面教師的な状況や人物と対峙しています。それを乗り越えることで今対峙しているものや人物よりもっと上手にこのエネルギーを使いこなせるチャンスがあるのです。将来の能力を得るためにクリアするべきハードルがあります。
2枚の関係性が「現在の状況」と「影響関係」を示す
この2枚の関係性から「現在の状況」が読み取れます。
これらのカードのエネルギーが協力的な関係にあったり、似たような特徴や力を持つもの同士であれば、調和的な状況の中にいる、または過去の延長線上に未来も続いていく、と読めます。
逆に、まったく異なるエネルギーを持つもの同士なら、葛藤のある状況にいるか、過去からの転換点にいる、と読めます。
コートカードがどちらかに出ていれば、特に人間関係や立ち場に関わる要素が多いでしょう。
また、この2枚の力の強さから「影響関係」を読みます。
1枚目と2枚目、どちらが影響力が強いように見えるでしょうか。
もし1枚目の方が強そうであれば、2枚目のカードは「周囲が私から受けた影響の結果」も示します。
逆に2枚目の方が強そうなら、1枚目は「私が対峙するものから受けた影響の結果」としても読めます。
影響関係が一方通行とは限りません。1枚目のカードが2枚目から、2枚目が1枚目から影響を与えあって、このようなカードとして登場したのかもしれません。
2枚の力関係を比べるための基準には、例えば小アルカナより大アルカナの方が影響力が強い、逆位置より正位置の方が強い、などがあります。他にもいろいろな基準がありますが、これに縛られずあなたの受けた印象も大事にしてみてくださいね。(2枚のカードの関係性を考察するため様々な「ディグニティ」の技法があります。ディグニティについて詳しくはこちらの記事もどうぞ)
カードの示す能力をもっと上手に使う
このリーディングは「今の私は過去の体験から作られ、未来の私は今の体験から作られる」という考え方に基づいています。
これらカードが示すのは、例えば「誰かから優しくされたので、将来私も誰かに優しくすることができるようになった」のようなことです。
しかし、逆に「誰かに意地悪されたので、将来私も人に意地悪するようになった」もありえます。
この場合でも「目の前にいる(もしくはいた)意地悪な状況や人」が、どんな力を使用しているのか考えましょう。「細かいところをチクチク突いてくる人」は、他の人が気づかない細かいところをチェックする精密な目の能力を使っています。この能力は、意地悪のために使うこともできるでしょうが、もっと有効な活用方法も考えられます。将来のあなたは、同じ能力をよりよい方向で使う道を選ぶことができるのです。それが、その能力を「もっと上手に使う」ということです。
1枚のカードに複数の意味を与えること
このリーディングでは、2枚のカードにそれぞれ複数の意味を与えました。
1枚目には「私」と「私の過去」。2枚目には「私が対峙しているもの」と「私の未来の力」。
これは、「私/私が対峙しているもの」というスプレッドと、「私の過去/私の未来」というスプレッド、2種類のスプレッドを重ね合わせて読んでいるということです。
この方法は、2枚引きに限らず他のスプレッドでも応用が効くでしょう。
1枚のカードに複数の意味を与え、またカード同士の関係性にも意味を読み取ることで、より複雑な物語が浮かび上がってきます。
(この記事の内容について、昨日の日記で別の角度から語っています。よろしければそちらもどうぞ)
最近の活動
●本日、5/21日は二十四節気「小満」です。二十四節気の魔法の水のワークをどうぞ。
●灯台屋さんでのタロット練習会。みんなでタロットリーディングをやってみましょう!
・6/18(日)13〜15時
・7/8(土)13〜15時
・7/16(日)13〜15時
●noteにて、スプレッドの解説記事を2つ書きました。セルフリーディングのためのガイドラインにどうぞ。
「あなたの鎖とあなたの自由スプレッド」で自由の価値を知ろう!
「お年寄りになったあなた」スプレッドで老い方と生き方を見つめ直そう!
●エテイヤの神・霊・体リーディング。1週間につきお一人様限定でお申し込みを受け付けています。
・今のあなたに求められているメッセージをお送りします(ご相談やご質問から占うものではありません)。
・メール鑑定のみ(10,000文字前後)
・価格:16,000円
1週間程度で結果をお送りします。大ボリュームとなりますのでお時間をいただきますが、ご了承ください。このメールの返信にてお申し付けください。
●サビアンシンボルの原典、ルディア「占星術のマンダラ」読書会。次回は6/3土19:30、魚座19度からの予定。単発でのご参加も歓迎です。ランダムに見えるサビアンの連続する流れの意味が、少しずつ解明されていきます。詳細はこちらより。
●メアリー・K・グリーア「タロットワークブック」読書会。次回は5/17水19:30より。タロットサークル内の活動ですが、メンバー外の方で参加希望の方は、このメールへの返信にてお問い合わせください。本がない、英語版しか持っていない、途中参加の方もどうぞ。
こちらも、毎回本当に学びや発見が大きいです。みんなで集まってワークをやってみることの意義を感じています。
良書を誰にでも手の届くようにするため、復刊リクエストにご協力ください。復刊のリクエストはこちらからできます。
●ご質問、ご感想、ご要望などはこのメールへの返信、twitterのリプライ、サイトのお問い合わせフォームなどでどうぞ。
●TAZNへのご相談はこちらからお待ちしております。
最近の日記ダイジェスト
2023-05-14 「あなたの幸せに関係ない3つのもの」スプレッドの体験記事/nopeのネタバレ
2023-05-15 「これは良くてこれは悪いはず」という思い込みを外していく/愚者「ピーターパン」「ロビンフッド」
2023-05-16 リーダーの思い込みを外すカード/レイチェル・ポラックの本
2023-05-17 ジェブラン「原始世界」の邦訳/世界最古のタロットスプレッド/「タロットはどうやって機能するのか?」とタロットに聞く(ポラックの本)
2023-05-18 タロットとユダヤ教(ポラックの本)/日記をnoteにしようか
2023-05-19 スプレッド解説記事を書く/タロットが天地創造より前からあったとしたら?(ポラックの本)
2023-05-20 2枚引きのタロットスプレッドに意味をレイヤーとして重ねる/chatGPTの察しが良すぎる