サビアンは「1度から成長して2度へ進む」プロセスでもあるが、「未熟な1度から成熟した1度」へのプロセスもあるのではないか
サビアンのタロットワークでは、そのときどきの「その度数における成長段階」を読み取ることができそう。
サビアンのタロットワーク
各度数のサビアンシンボルからタロットのスプレッドやワークを作っていく作業です。360個できたら「自分の出生図の天体の度数のワークをやって、自分のその度数に対する現状をチェックする」みたいなリーディングができるかな!という期待を持っています。またこの作業によってサビアンへの理解も深められそう。スプレッドを作るには各サビアンがどんな構成要素によってどんな構造を持っているのかを理解しなければできないから、必然的に学びが求められます。
成長段階としてのサビアンとワーク
サビアン全体のサイクルを成長のプロセスと考えることもできます。ある度数がレベルアップしたら次の度数に進む、という考え方です。実際にサビアンを理解しようとしていくとき、この考え方はわかりやすいです。「この度数でこれをやったから次の度数ではこうなるのね」というストーリー展開としてシンボルを捉えられるためです。
しかし一つの度数の中での成長もあるはずです。牡羊座1度に太陽を持って生まれた人は、人生のどこかの段階で2度へ進むのではなく、生涯1度の太陽です。この人物の成長は、「未熟な1度」から「成熟した1度」へと進むはずです。
サビアンのタロットワークを使ったリーディングからは、そのときどきの「その度数においての成長段階や状況」が読み取れるかもしれません。
牡羊座7度「2つの領域で同時に自分を表現することに成功する男」改
昨日のスプレッド、作り直しました。「あなたの自己表現の2つのレイヤー」。
昨日のワークはあまりうまく行かず、「2枚のカードを横ではなく縦に並べた方がレイヤー感が出てよかったのでは?」と思っていたら、夢の中で縦2枚でカードを引き直していました。上がカップキングで下がカップペイジ。しかし夢の中のカードを根拠としていいのか自信が持てませんでしたので、起きてから実際にカードを引き直しました。
ポジションは違うけど夢の中と同じカップキング(現実における「物質/精神」と夢の世界におけるそれらは逆転している・・・?)。物質的なレベルでは、感情的なエネルギーを扱う高い能力を持つ人物として自己表現が成功している。これは6度で内的安定を作る基盤としても出てきたカードで、「四角形の外側との外交官の役割をしながら内的安定を作っているのではないか」と読んでいました。それが自己表現の成功のカードとしても出てきたので、外部に向けてカップキング的な人物としてのアピールが成功している。
精神的レベルの自己表現は太陽逆位置。あまり表現が成功しているようには見えません。精神的レベルでの自己不一致が起きているようです。
さっきも書いたように、これはこの度数においての現在の自分の段階が示されている、と考えてもいいと思います。この状態から自分がより成長していくのであれば、精神的レベルでの自己一致を目指すことになる訳です。
牡羊座8度「東風に吹かれる吹流しのついた大きな女性用の帽子」
ルディア「An Astrological Mandara」によれば、帽子は寒さや太陽など、自然の力から身を守る、文化や倫理的規範が提供する「保護」です。天空のエネルギーやスピリチュアルレベルに対して開放されすぎていると強迫観念などに襲われる可能性があるため、まだ心の発生期、メンタルプロセスが未発達な6〜10度の段階では保護が必要なのです(お母さんが子供に「帽子かぶりなさい」と言ってかぶせている感じ?)。
東風とは物質を超えた心霊的(サイキック)な力です。東は、伝統的にスピリチュアルなものや創造的な変化の影響力の源である東洋です(この辺は西洋文化の視点から見たオリエンタリズムがある)。スピリチュアルな源泉から吹いてくる心霊的な風が帽子の吹流しをたなびかせている、吹流しはスピリチュアルなエネルギーに対しての「感受性」です。スピリチュアルなエネルギーは目に見えませんが、吹流しがそれを目に見える形で表してくれるし、風向きからスピリチュアルな源泉がどちらにあるのかを辿ることもできます。
この度数では「保護」と「感受性」の2つが焦点になっています。
7度では「物質的/精神的」の分割を作ってそこに運動を作ったのですが、そのギャップにさらされすぎると危険なので保護が必要、でも完全にシャットアウトするのではなく、それを感知するための感受性も必要。
図にしたらこんなかな〜
スプレッドにしてみるとこう。「あなたを保護するものとスピリチュアルな感受性」。
引いたカードはこうです。
1.保護、帽子にあたるカードはソード5。疑問に対して自分の意見をぶつけること、議論などによって保護が行われている。頭にかぶる帽子と知性のスートであるソードは関係性が感じられます。「それはそうじゃないでしょ!」と自分の考え方をぶつけることが、大きすぎるエネルギーからの保護になっている。
2.未発達な意識、女性にあたるカードです。ペンタ8、物質的な密度の高さ、完成状態。経済的にもしっかりしている。ペンタクルは物質のスートなので、スピリチュアルなエネルギーから守られていると読めそうです。保護がきちんと働いていて頑丈に守られている印象。絵からも頭が容器の中に入って守られているので、帽子のイメージと連動しています。
3.吹流しにあたる感受性の在り方はソード4。思考の安定、パターン化。5であれこれ異論をぶつけ合って考えたことの答えを受け取っている様子もあります。スピリチュアルな源泉からの風は「こういうもんだよね」と当たり前の答えとして受け取っている。あるいはなんらかの思考の型があり、それに当てはめたパターンとして感受している。ソードなので、スピリチュアルなエネルギーを「言葉で説明できること」として受け止める。
4.大きすぎる生命の元素の力。これを帽子なしで受け取ると、2のカードは危険にさらされる可能性があります。死は停止や終了、削除していく力ですが、逆位置です。これは停止や終了がネガティブな意味で働く、と考えてみてもいいかもしれません。すなわち本当に命が死ぬ、みたいな。ペンタ8が殺されないように、ソード5はあれこれ考えてその力を弱めているようにも。
5.スピリチュアルな源泉からの風。これが吹流しを動かしています。女帝は創造性のエネルギーですが、逆位置なのでそれがネガティブな形で現れている可能性。これも強すぎるからそのまま受け取ると創造性が爆発的に膨らんで受け止めきれなくなるので、ソード4の「型」に当てはめて感受するしかないのかもしれません。
女性、帽子、吹流しのカードが小アルカナ、自然の脅威やスピリチュアルな源泉は大アルカナと、それぞれのスケール感に合わせた大小アルカナが出たようです。大アルカナは逆位置なので、それはそのまま受け止めるとネガティブな影響を与えるものかもしれない。それをソード5が噛み砕くように考え、ソード4が型やパターンとして認知する。
サビアンを原文で読む話
今日はtwitterで「サビアンは原書で読むのがよい」という話題が巡ってきたので、以前サビ研で調べたときの調査結果を置いておきます。
サビアン名は大きく5回、世に出たタイミングがあるようです。
①1925年 ジョーンズがエリス・フィーラーとの実験でサビアンシンボルを記録
②1931年 ジョーンズがサビアン議会のメンバーに送ったガリ版資料「Symbolical Astrology」を書く(①とは大分変更されていた、とルディアが「An Astrological Mandara」で書いてる)
③1936年 その要約をルディアが「The Astrology of Personality」の中で書く(要約だから②と同じ可能性あり)
④1953年 ジョーンズが「The Sabian Symbol In Astrology」を書く(いわゆるジョーンズ版。ジョーンズは②をもう使わないでくれと言って①に戻した→出典: https://sabian.org/horoscope_interpretation.php )
⑤1973年 ルディアが「An Astrological Mandara」を書く(いわゆるルディア版。③とも④とも違う)
①=④、②=③の可能性が高いので、おそらく3バージョンのシンボル名の表記がありそう(①、②は入手困難そうなので確認はできず)。
例えば牡羊座1度は
③A WOMAN HAS RISEN FROM THE OCEAN; A SEAL EMBRACES HER.
④A WOMAN RISES OUT OF WATER, A SEAL RISES AND EMBRACES HER.
⑤A WOMAN JUST RISEN FROM THE SEA. A SEAL IS EMBRACING HER.というように。
星見当番さんや鏡リュウジ先生が有用なお話をいろいろされていて、なるほど!と思いました。
●昨日のツイキャスのご感想もtwitterにいろいろ上がっていて、どうもありがとうございます! それぞれの方のアクセサリー観もわかったりしておもしろいです。「読み合い推奨」は、それでハードル下がった方も上がった方も両方いるのではないかと思うのですが、またしばらく続けてみたいと思います。ご協力よろしくお願いいたします!
お知らせ
●4/24土15:00〜18:00 惑星詩人協会タロット定例会へゲスト参加
●3/29月は満月です。新月の問い満月の答えにトライを!
ご意見、ご質問などはコメント欄にどうぞ。このメールへの返信でも届きます。
この記事は「TAZNのタロットワーク」ニュースレターの中の一つです。日々の考えやタロットの話をしています。
購読するとメールで最新記事が届くため見逃しがありません(迷惑メールへの分類にご注意を)。無料購読でもほぼ毎日配信。有料購読では全ての記事が届き、全てのアーカイブが見られます。配信解除はいつでもできます。
ここで語られるタロットの読み解きは、無数の可能性の一つに過ぎません。