こんにちは、TAZNです。
タロットにはリーディングのための「設定」をすることができる、という話を日記でしていました。
タロットリーディングのための設定
設定とは、「カードがどのように登場したら、それはどのように解釈できるのか?」を前もって決めておく、ルールや規則のようなものです。
例えば、
・「愚者が出たら『自由』」のように、特定のカードに特定の意味のキーワードを与える
・絵に描かれた図像や色に象徴的・神話的な意味を与える
・絵から連想されるイメージをどれくらいのレベルで重視するか決める
・数秘術を使用する
・小アルカナのスートを四大元素に対応させる
・カード同士の関係性の法則を決める(各種のディグニティなど)
・占星術やカバラなど、他の象徴体系と対応させる
・スプレッドとそのポジションの意味、リーディングの手順などを決める
・「こういう状況でこういうカードが出た」という過去のリーディング経験を採用する
……などはすべて設定と言えます。
こうした設定の集約の上にリーディングは成り立っています。そして設定はリーダーごとに異なっていていいし、それぞれが自由にカスタマイズできます。
いろんなタロットの本を読んだり、他のリーダーがどのようにカードを読んでいるかを知ることで、どんな設定の立て方があるのか、いろんなやり方を学べます。そしてその中からどれを採用し、どれを採用しないか、またどう改良して使用するかなど、リーダーは自分なりに設定を決めていきます。
「タロットリーディングを勉強する」とは、こうした設定を座学もしくは実践の中で学習し、増やしたり減らしたり変更したりしながら研ぎ澄ませていくことを意味します。
カードは設定を破る
しかし、どれだけリーダーが設定を決めても、カードは必ずその設定を破ります。それにはいくつか理由があります。
・設定が限定的すぎる。あるいは設定の抽象度が低すぎる(具体的すぎる)。その設定内では伝えたいメッセージが表現できないため、カードが設定を逸脱して語ろうとする。
・その設定を心の底からリーダーが納得していない。設定を暗記したり、頭で理解していても、感受性のレベルで腑に落ちていない。どうしてそういう設定が与えられるのか、心に落とし込むまで心の中でカードと設定をつなげる作業が不足している。
・設定にリーダーの偏見や思い込みが含まれている。その題材をリーディングするためには、リーダーの偏見を外すべし、というカードからの注意喚起。
こうした場合、リーダーが用意した設定が役に立ちません。
リーディングで言葉に詰まって先へ進まなかったり、どのように読み解けばいいかわからなくなったとき、大抵カードは設定を超えたメッセージを発しています。もしくは言葉がストップしないとしても、こじつけがましくなっているときや、「なぜこんな風にカードが出るの?」と違和感を感じるときもその可能性があります。
カードと対話しながら設定を作り直す
このとき、リーダーは前提としてきた設定を超えたところでカードと対話する必要があります。自分や本や先生が決めた意味のキーワード、図像や色の象徴的意味、絵、数秘術や四大元素や占星術、ポジションの意味やカードの関係性、過去の経験……それらのすべてとは言わずとも、そのうちの一部に頼らないでカードと対話することになります。
その対話の中で、リーダーはカードと共に不要な設定を削除したり、設定を作り直したりします。これはタロットリーダーの成長につながります。リーディングのための設定がブラッシュアップされ、偏見も取り除かれるからです。
設定は複雑になっていくこともあれば、シンプルになっていくこともあります。例えば、3枚引きから、ケルト十字スプレッドの方がより適している、と複雑な方向に変更したり、逆に1枚引きが究極だ、とシンプルな方向へ変更したり。意味のキーワードを追加することもあれば、キーワードなど一切不要だった、とバッサリと舵を切る場合もあります。
数ヶ月や数年の間、ある設定が有効だったのに、あるときから段々その設定が機能しなくなることもあります。それはリーダーの成長の証です。成長して豊かになったリーダーの視点を、古い設定のリーディングが受け止めきれなくなってきたと言えるでしょう。
最近の活動
●エテイヤの神・霊・体リーディング。プレリリースご応募の方への占い結果は順序お送り中です。大ボリュームのため、お時間を戴いております。まだ届かない方はもうしばらくお待ちください。
日々、このリーディングにより自分の中の古い設定もどんどん更新されていると感じます。
また、正式リリースへお声がけいただいた方もどうもありがとうございました! こちらも準備ができ次第スタートできればと思っております。
●サビアンシンボルの原典、ルディア「占星術のマンダラ」読書会。次回は5/6土19:30、魚座13〜15度の予定。単発でのご参加も歓迎です。ランダムに見えるサビアンの連続する流れの意味が、少しずつ解明されていきます。詳細はこちらより。
●メアリー・K・グリーア「タロットワークブック」読書会。次回は5/17水19:30より。タロットサークル内の活動ですが、メンバー外の方で参加希望の方は、このメールへの返信にてお問い合わせください。本がない、英語版しか持っていない、途中参加の方もどうぞ。
こちらも、毎回本当に学びや発見が大きいです。
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2023-04-17 エテイヤの神・霊・体リーディングのプレリリース/スプレッド本とJohn Gilbertの本/インターネット上の残留サイト/スプレッド・タロット・デッキ
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それではまた次回!
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