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新月の問い満月の答え
新月は閉じたまぶた、満月は開いた目と考えてみる。新月は天空からまぶたを閉じたまま、地上にいるあなたの気配を察知し「お前はなに者か?」と問いかける。満月になって目を開きあなたを見つめ「そうかお前とはそういう者なのか」と確認する。
というようなイメージで今回の新月の問い満月の答えのカードを引いてみました。
自分が引いたカードはソードの3逆位置。ソードは知性や情報、意見。3は増幅、発展、創造の数字。ソード3では知性や意見がどんどん発展し増えていく。物事を見る角度が多彩になって、さまざまな分析的考えができるようになる。同時に別の角度からの視点は、元々の視点に対して批判的な眼差しになる場合も。ソードはカップ的な共感に配慮しないため、感情を無視していろいろな意見がたくさんでる、というケースもありうることから、「ハートを剣で串刺し」の絵が描かれやすい。この場合は感情を無視した批判・批評的な思考が発展し、心のダメージが発生しているとも言える。
厳密に考えるなら、ソード3の思考は感情を傷つけるのが目的ではなく、思考が発展した結果として感情を無視する可能性もありうる、という読み方がいい。あくまでハートに剣が刺さるのは思考活動の副産物で、必ずしもそれが起きるとは限らない。メインテーマは様々な視点から物事を見る、ということ。
ソード2だったら「ああいう考えもあり、こういう考えもある」という相反する考え方の間で行ったり来たりするが、3は「そういう2つの考えがあるなら、こういう第三の道もありますね」と統合した考え方ができるようにもなる。
逆位置なので、このような思考の発展や分析が抑圧されたり、否定されたりする。もし絵を重視して見るなら「ハートを串刺しにしない」、意見を言うにしても感情に配慮した言い方になる。
逆位置のカードを問いとして考える場合、いくつかのパターンがありえそう。まず「どうしたら正位置になる?」という問い。または「逆位置になっている理由はなに?」。あるいは「どういう逆位置の状態なの?」とこのカードが具体的になにを指すのかを問う質問。または正逆問わずに「このカードのエネルギーが差し向けられている対象は?」。もちろん他にもいろいろ考えられそう。
ソード3逆をそれぞれに当てはめてみる。最初のパターンなら「あなたはどうしたらいろいろな角度からの分析的思考ができるようになりますか?」。二番目なら「あなたはなんのために分析的な思考を抑圧するのですか?」。三番目なら「あなたにとって分析的でないあり方とはどんなもの?」。四番目なら「批判的な思考を持てない対象はなに?」など。
今回は新月はまぶたを閉じたまま自分の気配を察知し「お前はなに者?」と問うている、というイメージもあった。月が目を閉じたまま自分の存在を察知していて、それについて問いを投げていると考えるなら、どのパターンの問いがいいだろうか。何者か路線で考えると「お前はなにを分析していないのか。分析することをなぜ抑圧するのか」なども考えられる。
もしくはこのカードを「2つの考えを統合するところまで至っていない」と捉えることもできる。そうだとすると「あなたの中でまだ統合できていない相反する考え方とはなにか、それらをどう統合するのか?」という問いを立ててもいい。
社会問題についてカードを引くワークを組み立てる
サークルメンバーさんたち作「新型コロナに向き合うスプレッド」をTAZNがセルフリーディングするチャリティ配信をやろうという計画がある。そういう風に具体的行動へ動き出すならいいかげん「社会問題に対してカードを引くワーク」をしっかり組み立てて先にコロナ問題へどういう焦点を持つかやっておいた方がいいと思った。つい伸ばし伸ばしにしてしまった。
このワークについて今のところ考えていることのまとめ
真実や展開を占うのではない。「その問題とは結局なんなのか?」という答えをもらうのではなく、また「その問題は今後どう進んでいくのか?」を占うのでもなく、「自分がその問題と向き合うためにどういう考え方をすればいいのか?」という思考の焦点をカードに示してもらう
「自分が興味ある/ない、問題意識がある/ない、当事者である/ない」に関わらず使えるワークにしたい
特に自分が当事者ではない問題については、なにか考える必要があるけれどもどう考えはじめればいいのかわからない、という問題もあり、そういうものと向き合うためのきっかけとして使えるワークにしたい
解決のためにカードを引きたい訳ではなく、自分のスタンスを自分でしっかり決める、自分の倫理的な態度をしっかり持つためのワークにしたい
カードに「この問題に対し私はどうすればいいのか」という行動方針を求めるものではない。あくまで行動方針は自分で決めるのであって、カードはその問題について知っていく/考えていく過程での道しるべ的なものであってほしい
「〜ではない」がとても多い。自分が考えるワークでは珍しいけれど、それだけ自分の中でセンシティブな問題を扱うためのものだからかもしれない。簡単にまとめると「真実でも未来でも解決でも行動でもなく、考えていくための焦点をカードからもらう」ワークと言える。
具体的にどういう風にワークを進行していくかを考える
枚数は、おそらく1枚でいいと思う。複数枚引くと焦点がブレる可能性がある。
大アルカナだけ、正位置だけ、などとしていいかもしれない。しかし小アルカナ、逆位置も採用した方がより詳細な焦点にはなりそう。例えばペンタクルが出れば、まずその問題について経済的な側面から、カップなら感情的側面から見ていく、などの絞り方ができる。小アルカナも採用としてみる。
最初のカードが示す焦点について考え尽くした、もしくはそこだけ考えていっても煮詰まった、となったら、新たにカードを追加してもいいかもしれない。しかしおそらく当面は最初のカードを元にして考えていく方がいい、これも頻繁にカードを引くとブレが生じるため。
このワークはカードを引いた直後にちょっと考えて終わり、ということにはならない。おそらく長い年月そのカードの示す焦点を抱えて、日々の中でその問題を考えていくのがよいと思う。カードの示す焦点は、同じカードだとしてもその過程でいろいろな側面を見せていくはず。
逆位置はどうするか。長期間逆位置のカードを抱え続けていけるかどうか、という心配もある。逆位置のカードが出た場合「正位置が示すエネルギーの抑圧されているポイントはどこか」という焦点を持つことができそう。本来正位置的であったものがどう逆位置化されたのか。もしくは正位置であろうとしてできなくなっている要素とはなんなのか。逆位置を採用しない方がストレートにそのカードのエネルギーを焦点として見ていけるが、もしかするとより複雑な視点を必要とするために逆位置が出てくるかもしれない。逆位置も採用してみる。
問題の設定範囲について。ある問題が他の問題とも複雑に絡み合っているケースも出てくるはず。とは言え「どこからどこまでがこのカードの範疇か(どこからどこまでがこの問題の範疇か)」みたいなことは、始める前はわからないと思う。漠然とした理解の状態からはじめてもいいワークであってほしい。ある問題についてカードを引いて考えたり調べたりした結果、他の問題が接続されてきたと感じてきたとき、カードを追加するかどうか。そもそもそれは「別のカードを引くべき別の問題」と簡単に切り分けられるだろうか? そういう訳にもいかない場合もありそう。それでも「これは別に考えていった方がいい」と感じたときには別の問題として新たなカードを引くのもいいだろう。
ワークを進めていく過程で、カードが示す焦点から道を外れたところに興味が行って調べたい、考えたいとなったときは、もちろんカードから逸れてかまわない。カードの焦点は単に考えはじめるきっかけにすぎない。でもまた道に迷ったら、またカードに戻ってきてそれが示す焦点にフォーカスしてみるといい。
と、書きながら考えてきましたが、ひとまずそういうワークとしてトライしてみます。
「新型コロナ問題」を考える焦点としてカードを引く
「ハザード(ペンタクル)の5」逆位置。ペンタクルは物質のエネルギーを示すスート。そこから衣食住、お金や経済、仕事、社会生活、社会的立場などにつながっていく。5はクラッシュして壊れる数字。物が壊れる、経済が壊れる、仕事が壊れる、社会生活が壊れる。ペンタクルは肉体でもあるので、健康被害などにも関わる。その逆位置なので、そういった破綻がどうやって防がれているのかについて焦点を当てて考えていこうと示している。どうやって壊さないようにしているか、どうやって壊れたものを復元しようとしているか。
経済的破綻や社会的破綻、職業的破綻、健康被害がどのように防がれているか、復元しようとしているか、あるいはその状態から脱出しようとしているか。自分が新型コロナウィルス問題についてまず考えていく、調べていく焦点としてはこういうことになった。他のスートではなくペンタクル、例えばカップではないから「コロナ問題がどう人の心に影響を与えているのか」などはあとでよくて、とにかく実質的な問題へ先にフォーカスしよう、という感じ。ああ、しかしそれだけでも広範囲だな、という印象。
逆さに進む大アルカナ
twitterに投稿した「世界」から「愚者」に向けて逆順に浮かび上がる物語。毎日1枚ずつ加筆したものを掲載しています。
18番「月」
太陽の意識が眠りに落ち、夜が生まれた。闇の中でもう一度天と地の境界が曖昧になり、互いのエネルギーが流入し合う。世界の中心が失われ、周縁だけが息づいていく。
「審判」で別れた2つの世界の境界が曖昧に。太陽の光が夜になって消え、明瞭な中心点が見えなくなります。曖昧な状態で両者の無意識が混ざりあっていく。「太陽」で片方からもう片方の世界への一方的な憧れや希求があった結果、光を否定し中心を失くすことでもう一度2つの世界を混ぜ合わせようとします。
8番「正義」のように活発な活動が止まっている状態ですが、同時に1+8=9番「隠者」のように深い部分へ入っていこうともしています。眠りの中で無意識の中へ深く入り込んでいくようです。


本日の絵を描いてカードを引くワーク
昨日、サークルメンバーさんで二人ほど、自分のおすすめタロット本であるメアリー・K・グリーア著「タロットワークブック」を購入したというお話を聞いたので。
引いたカードは魔術師逆位置。本を読む、という行為は魔術師的な「自分の意思を持ってなにかやる」とは真逆のものなのかな。他者からなにか知識を得るのではなく、自分でなにかやって知識を得ていくのが魔術師かもしれない。次の女教皇のカードには本が描かれており、本とは女教皇的な存在とも言えます。本には叡智がつまっているが、本の側からなにか行動を起こしはせず、誰かに読まれて初めてその叡智が開かれる受動的な存在(女教皇の説明をするときたまにこういう説明をしています)。
また二人で本を読んでいる、というのも魔術師の数字1の否定に思えます。相手が読んでいるので、私も読んでいる。お互い相手の読書に意識を持ちつつ、自分の本を読む。それぞれ自分の本を読んでいるようで、相手の意識を気にしつつ相手の本も読んでいるのかもしれない。
●今日はこんな感じです。本の絵を描いたから最近読んでいる本を紹介したかったけど、もう随分長くなってしまったので、またいずれ。新月の問い満月の答えのツイキャスは15日19:00より。







TAZNさんの今回の記事、個人的にはとっっっても好きです。あたまのなかをパカッと開けてちょっとだけ見学させてもらった感じ。
私もコロナに向き合うワーク、1枚引きをしてみようと思います。